心臓リハビリの効果とは?
心疾患を抱える患者さんの中には、「心臓リハビリは本当に効果があるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。今回は、心臓リハビリテーションの具体的な効果について、わかりやすく解説します。
心臓リハビリで期待できる効果
心臓リハビリテーションは、多くの研究によってその有効性が証明されています。特に、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患の患者さんが実施することで、心血管病による死亡率が約26%低下し、入院のリスクが18%減少することが報告されています。
また、心不全の患者さんにおいては、心臓リハビリを行うことで、全ての入院リスクが25%減少し、心不全による入院に関しては39%も減少することが明らかになっています。さらに、リハビリを継続することで生活の質(QOL:Quality of Life)が向上し、日常生活がより快適になることも期待できます。
心臓リハビリの具体的なメリット
心臓リハビリを継続することで、次のような効果が期待できます。
1. 運動能力の向上
→ 息切れが軽減し、日常生活の動作が楽になる
2. 筋力アップで動きやすくなる
→ 筋肉量が増えることで、心臓の負担を軽減
3. 心臓の機能向上
→ 心臓が効率よく働くようになり、全身への血流がスムーズに
4. 血管の柔軟性が向上
→ 動脈が広がりやすくなり、血液循環が改善
5. 動脈硬化の進行を抑制
→ 血管内のプラーク(コレステロールの蓄積)が減少し、血管の健康を維持
6. 高血圧の改善
→ 血圧が下がりやすくなり、心臓への負担が軽減
7. 血糖値のコントロール
→ インスリンの働きが良くなり、糖尿病予防・改善につながる
8. 自律神経の安定
→ 不整脈の予防につながり、心臓のリズムが安定
9. 社会生活の充実
→ 運動習慣が身につくことで、仕事や家庭生活、趣味の活動が楽しめるように
リハビリの効果は、すぐに実感できるものばかりではありませんが、当院では患者さん一人ひとりに合わせたプログラムを提供し、経過を数値化して見える化することで、効果を実感しやすいサポートを行っています。