ブログ

ai-chat
  • HOME>
  • ブログ>
  • 【院長ブログ】CPXを用いた運動強度設定

【院長ブログ】CPXを用いた運動強度設定

2025.09.04

CPXを活用した運動強度の設定

「運動療法は理学療法士や健康運動指導士が行うもの」と思われがちですが、実際には心臓リハビリテーションの重要な一部です。そのため、心疾患患者さんに関わる医師や看護師、運動指導者など、多職種が適切な運動処方について理解しておくことが大切です。

運動処方とは?

運動処方とは、患者さんの健康状態や運動耐容能を評価し、安全で効果的な運動プログラムを設計することを指します。心疾患患者さんにとって、適切な運動は再発予防や生活の質の向上に役立ちますが、負荷が大きすぎると心臓に過度な負担をかける可能性があります。一方で、運動不足も筋力低下や心肺機能の低下を招くため、バランスの取れた運動が必要です。

CPXを活用した運動強度の決定

CPXを活用すると、患者さんごとに最適な運動強度を科学的に設定できます。特に、**嫌気性代謝閾値(ATAnaerobic Threshold**を指標にする方法が一般的です。

低強度(AT以下)

心肺機能の改善や、日常生活の活動レベル向上に適している。

中強度(AT付近)

持久力を向上させ、心血管リスクの低減に役立つ。

高強度(AT超え)

運動パフォーマンスを向上させるが、心疾患患者さんには負担が大きく注意が必要。

 

ATレベルの運動処方は、心臓に過度な負担をかけることなく、効果的なトレーニングを可能にします。

すべての患者さんがCPXを受けられるわけではありません。その場合、以下の方法を用いて運動強度を設定します。

 

簡易心拍処方

最大心拍数の一定割合を目安にする

自覚的運動強度(RPE

患者さん自身の感覚を基に運動負荷を調整

トークテスト

運動中に会話ができる程度の強度を維持

 

これらの指標を活用することで、CPXが利用できない環境でも、個々に適した運動処方を実施できます。

運動を継続するための工夫

運動処方が適切でも、継続できなければ効果は期待できません。患者さんの生活スタイルに合った方法を提案することが重要です。

運動を継続するためのアイデア

  • ・目的地の1駅手前で降りて歩く
  • ・階段を利用する
  • ・買い物を徒歩で行う
  • ・運動記録をつける
  • ・仲間と一緒に取り組む

無理なく継続できる運動習慣を作ることで、心肺機能の向上や健康維持に役立ちます。

TEL

LINE予約