「心臓病の人は運動しないほうがいい」は本当?
かつては、心臓病を患っている方はなるべく安静にするべきだと考えられていました。運動が心臓に負担をかけ、病状を悪化させるのではないかと心配されていたからです。しかし、現在の研究では、適切な運動を行うことで、動脈硬化の進行を防ぎ、血管の機能を改善することが明らかになっています。また、体力の向上や日常生活での息切れ・疲労感の軽減、さらには再発予防や寿命の延長にもつながることが証明されています。
どんな場合に運動を避けるべき?
- ① 不安定狭心症や重度の大動脈弁狭窄症を持っている方
- ② 急性心筋梗塞・急性心内膜炎・急性心筋炎・急性大動脈解離の発症直後の方
- ③ 病状が不安定な心不全や、強いむくみ(浮腫)がある方
- ④ 高血圧・糖尿病・不整脈などの合併症が重症または不安定な方
- ⑤ 医師から運動を控えるよう指示されている方
運動処方とは?
「運動処方」とは、その人にとって最適で安全な運動の種類や強度、時間、頻度を決めることを指します。一般的に、心肺運動負荷試験や心拍数の測定、自覚症状のチェックを行いながら、個別に運動メニューが作成されます。
どんな運動が適している?
臓病の方には、ウォーキング、ジョギング、自転車、エアロビクスなどの「有酸素運動」が推奨されます。有酸素運動とは、酸素を使いながら筋肉を動かし、長時間続けられる運動のことです。
運動の強度と時間はどれくらいが適切?
強度の目安
- ・軽く汗ばむ程度
- ・「ややきつい」と感じるが、会話ができる程度
- ・息切れしない範囲
運動時間
- ・1回30~60分が理想的
- ・朝夕20分ずつに分けてもOK
- ・1日の総歩数7000~8000歩を目指す
注意点
- ・食後1~2時間経ってから運動する
- ・夏場は脱水に注意し、水分補給を忘れずに
- ・冬場は体を冷やさないよう防寒対策をする
週に何回運動すればよい?
日本循環器学会のガイドラインでは、週3~5日の頻度での運動が推奨されています。糖尿病などのリスクを持つ場合は、できるだけ毎日行うのが理想的です。ただし、運動後に強い疲労を感じる場合や、体調が優れない日は無理をせず休むことも大切です。