心臓と血管の検査とは？
成人の心臓は1分間に約80回拍動し、1回の拍動で約70mlの血液を送り出します。つまり、1分間で約5L、1日では10万回もの拍動を繰り返しながら、休むことなく全身に血液を循環させています。そんな心臓や血管の健康状態をチェックするために、さまざまな検査方法があります。
心電図（ECG）
心臓は電気信号によって拍動をコントロールされています。この電気的な活動を記録し、心臓の動きをチェックするのが心電図です。
どんな異常を見つけることができる？
- ・不整脈（心臓のリズムが乱れる）
- ・狭心症・心筋梗塞（心筋への血流が不足している状態）
- ・高血圧による心臓肥大
検査方法は？
手足や胸に電極を取り付けて電気信号を記録します。検査時間は1分ほどで、痛みもなく簡単に受けることができます。
何がわかる？
- ・一時的な不整脈の発生状況
- ・狭心症の発作による心筋の酸素不足
通常の心電図との違いは？
通常の心電図は短時間（約1分）の検査なので、検査中に異常が出なければ診断できません。一方、ホルター心電図は24時間で約10万回の心拍を記録できるため、より詳細な解析が可能になります。
心臓エコー検査（超音波検査）
心臓エコー（超音波検査）は、心臓の構造や動きをリアルタイムで確認できる検査です。
どんな異常を発見できる？
- ❶ 心臓のサイズ・形・壁の厚さ・動きの異常
- ・心筋梗塞によるダメージの程度
- ・心拡大（心臓が大きくなっているか）や心肥大（壁が厚くなっているか）
- ❷ 心不全の診断
- ・血液の流れや弁の異常
- ・弁膜症（血液の逆流や流れが悪くなる状態）
運動負荷試験
運動中に心臓がどのように働いているかを評価するための検査です。
どんな異常を見つけることができる？
- ・安静時には見つからない狭心症や不整脈
- ・運動による心臓の血流不足
検査方法は？
エルゴメーター（自転車）をこぎながら、心電図と血圧を測定します。当クリニックでは心肺運動負荷試験を行い、心臓・肺・筋肉の機能を総合的に評価し、個々に適した運動処方を提案しています。
血管エコー検査
血管の状態を超音波でチェックする検査です。
何がわかる？
- ・頚動脈や手足の血管の狭窄（血管が細くなる）や閉塞（詰まり）
- ・大動脈瘤や大動脈解離の有無
- ・静脈の血流障害（静脈瘤やエコノミークラス症候群）
検査方法は？
痛みはなく、約10～15分ほどで完了します。
