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【院長ブログ】心不全のステージ分類

2024.12.19

心不全は国民病?

近年、平均寿命が延びる中で、「心不全」という病気を抱える方が増えています。
実は、心不全は日本人の死因第2位である「心臓病」の中でも特に多い病気です。2020年には約120万人が心不全に罹患していると言われています。

テレビやニュースでも「心不全」という言葉を耳にする機会が増えましたが、具体的にはどんな病気なのでしょうか?

心不全ってどんな病気?

日本循環器学会のガイドライン(2017年改訂)では、心不全について以下のように定義されています。

「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。」

心臓の調子が悪くなると、体にさまざまな影響が出るということです。少し怖い印象を受けるかもしれませんが、早期発見や適切な治療で進行を遅らせることが可能です。

心不全の4つのステージ

心不全には段階があり、それぞれの状態に応じたケアが必要です。ガイドラインでは、以下のように分類されています:

・ステージA(心不全予備群)
 まだ心臓に異常はありませんが、悪くなるリスクを抱えている状態。

・ステージB(心不全初期群)
 心臓に異常が見られ始めたが、まだ症状は出ていない状態。

・ステージC(心不全真っ只中群)
 心臓の異常により、息切れやむくみなどの症状が出ている状態。

・ステージD(心不全治療抵抗群)
 治療を続けているものの、症状が悪化しやすい状態。

心不全の仕組みと症状

心臓は、右心房・右心室・左心房・左心室の4つの部屋に分かれています。
肺で酸素を取り込んだ血液を全身に送り出すこのポンプ機能を、心臓は一日に約10万回も繰り返しています。

しかし、心筋梗塞や弁膜症などで心臓が弱ると、このポンプ機能が低下します。それでも心臓は無理をして働き続けるため、疲労がたまり、やがて破綻してしまうことがあります。

たとえば、心臓の左側(左心系)が弱ると、肺に血液が滞り、「息切れ」や「呼吸困難」が現れます(肺水腫)。
また、右側(右心系)が弱ると、足のむくみ(下腿浮腫)や体重増加、胸水による息苦しさが出ることがあります。

これらの症状が現れると、心不全はステージCの段階です。早期に病院を受診し、適切な治療を受けることが大切です。

まとめ

心不全は「だんだん悪くなる病気」と言われていますが、進行を遅らせたり、症状を改善したりする治療法もあります。
定期的な健康チェックや、気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診することで、安心して生活を続けられる可能性が高まります。心臓を大切に、毎日を健やかに過ごしていきましょう。

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