心不全の進行を防ぐには、まず自身の病状を正しく理解することが重要です。その上で、毎日の体重測定や塩分・水分の制限、服薬など、医師から指示された自己管理を継続することが不可欠。高血圧、高血糖、脂質異常など、心臓に負担をかける要因を管理することで、症状の改善が期待できます。
⚫︎ 禁煙
喫煙は動脈硬化を進行させるだけでなく、さまざまな面で心臓に負担をかけ、心不全を悪化させます。
⚫︎ 食事制限
塩分は体内に水分を溜めやすくし、動脈硬化を進行させる原因に。心臓の機能が低下している場合、特に体に水分が溜まりやすくなるため、塩分と水分の制限が必要です。また、高血糖や肥満がある場合には、カロリー制限も検討されます。
⚫︎ 体重測定
心臓機能が低下すると、体内に水分が溜まりやすくなり、それが急激な体重増加として現れることがあります。毎日同じ時間に体重を測定し、数日で2kg以上の増加が見られた場合は、早めに医師に相談してください。
⚫︎ 排泄チェック
尿量や排便回数などの変化を日々確認することが大切です。尿量が減少したり、下痢や便秘などの異常が見られた場合には、速やかに医師に相談してください。
⚫︎ 入浴方法
入浴時、湯船のお湯が熱すぎたり、長く浸かりすぎたりすると心臓に負担がかかります。ぬるめのお湯(40度程度)に鎖骨の下あたりまで浸かり、10分以内にとどめましょう。
⚫︎ 睡眠と休息
心臓は一日中、絶え間なく働き続けていますが、睡眠中は全身の血液需要が減少するため、心臓も負担を軽減しながら休息を取ることができます。
⚫︎ 適度な運動
症状が安定している場合は、軽いストレッチや室内での歩行など、無理のない運動を取り入れることで、日常生活の質を向上させることができます。ただし、心不全の悪化時など、運動が体に負担をかける状況もあるため、運動のタイミングや強度については必ず医師の指示を仰ぎましょう。
⚫︎ 併存疾患の管理
心臓機能の低下に伴い、体内に余分な水分が溜まりやすくなることで、急激な体重増加が起こる場合があります。毎日決まった時間に体重を測定し、数日間で2kg以上の増加が見られた場合は、速やかに医師へ相談してください。
⚫︎ 感染症予防
感染症、とりわけ呼吸器に関連する感染症は、心不全を悪化させる大きな要因に。手洗いやマスクの着用など、基本的な予防策を徹底するとともに、インフルエンザや肺炎球菌に対するワクチン接種を検討すると良いでしょう。