心筋梗塞を発症したらどうするか
心筋梗塞を発症してしまった場合、第一に意識すべきことは、発症してからの1~2時間が予後を決めるという点です。この時間内に迅速な対応を取ることが非常に重要です。発症した際には、すぐに救急車を呼ぶことが不可欠です。治療は時間との戦いであり、血流が得られなくなった心筋細胞は虚血の時間が長くなるほど壊死が進行します。壊死が進むことで、破裂などの合併症のリスクが高まり、心臓の機能が低下して心不全を引き起こしやすくなります。
急性期を乗り切った後でも、心臓の機能が悪化する可能性が高まるため、心筋梗塞は一分一秒を争う病気であることを忘れてはいけません。
治療の重要性
心筋梗塞の予後は、発症からいかに迅速に血流を再開(再灌流)させるかに大きく依存します。発症から3時間以内に治療を行えば、後遺障害なく退院できる可能性が高まります。実際に、日本国内の大規模研究でも、発症から3時間以内に再灌流できた症例では良好な成績が得られており、総虚血時間が長くなるに連れて治療成績が悪化していました。
特に発症2時間以内に来院し、再灌流までの時間が90分以内であれば、長期的な臨床成績が非常に良好です。これらのデータからもわかるように、血流の悪い時間をなるべく短くすることが何よりも重要であり、早期治療ができれば元通りの生活ができる可能性も十分にあります。
予防と早期発見
心筋梗塞を未然に防ぐためには、定期的な受診が重要です。循環器内科などで定期的に診察を受け、血管のトラブルを早期に発見することが大切です。心筋梗塞は、発症後の対応だけでなく、発症しないように予防することが重要な病気です。
日々の生活の中で、予防と早期発見を心掛けましょう。具体的には、血圧、血糖値、コレステロールの管理や、喫煙を避けることが大切です。これらの生活習慣病を見直すことが、心筋梗塞の予防に直結します。健康的な生活を心掛けることで、心筋梗塞のリスクを大幅に減らすことができます。